「第一回 文学フリマ京都」に出店しました

「第一回 文学フリマ京都」 に出店しました


読書を日課として三十余年ながら「文学フリマ」なる同人誌即売会を知ったのは半年前でした。句作を始めて一年。句歴一年の一日一句を振り返って次なる一年へ充てるため、文学フリマへ出店しました。その記憶と記録を繙きながら、次回の出店に資するために所感を述べておきます。


1.準備

同人誌即売会へ 行くのも初めて、出すのも初めて、の私にとって、出店の準備そのものが娯楽でした。「コミケ初出店」や「コミケに便利なもの」などのキーワードを サーチエンジンへ入力するだけのカンタンなお仕事 を経て、サークルブースカバーミニイーゼル などの備品類を買い揃えました。品数が増えてきたら、あの布ダンダン段ボール を買おうと考えています。鴨居や窓枠に取り付ける ワイドフック は、ブースカバーを張り付けながら手提袋を吊るせて便利でした。

先人たちの知恵をまとめたアイデアの数々によって、初出店&初頒布ながらも惑わずに準備を整えられました。ビッグサイトに散華した出店者各位へ感謝します。一方、Amazonで コインケース を注文したところ、30ケースも届いて驚きました。出店を控えて焦りがちですが、あらかじめ確かめてからクリックしましょう。細々するものは、ワンコインショップ(百円均一店など)で品物を手にとりながら買い回れば、ブースを連想しやすく誤りにくいかもしれません。

会場至近で前泊・後泊するときは、レベニューマネジメントの観点から 早めの予約をおすすめします。2016年09月末に 「第01回文学フリマ京都」 の宿、10月末に 「第24回文学フリマ東京」 の宿、11月末に 「第05回文学フリマ大阪」 の宿 を予約しています。今回は、京都市勧業館 へ歩いて行ける 華頂町の宿 に泊まりました。駐車に難ある京都市内において、翌日13時まで1,000円で停められる ところに惹かれました。


2.制作

頒布したのは、日曜俳人の習作句帖 「くしふのやうなもの」 第一帖 『融点』 のみです。

一週間前には 完成 していたものの、奥付に一文字のみ誤植を見つけたため、再び刷り直しました。これは頒布に及ばないため、「ワケアリ版」として、私の句作活動を援けてくださる数名へ お譲り しました。次回は、余裕をもって制作を終えたのちに 【一部を製本して 現物を確かめてから全量注文する】 ことを心掛けます。

出店の申請 、出店の決定 、サークルリストの掲載 、カタログの公開 、カタログの更新 など、都度の進捗をお知らせしました。wordpress の メニューページ を新たに設けて、すべての概要をまとめています。

twitter で #bunfree タグを挿れて定期宣伝を繰り返しましたが、たくさんのリツイートやフォロワーに応えていただきました。ありがとうございます。エブリスタ の 「立ち読みカタログ」 も登録したところ、当日の出店の折に 株式会社エブリスタ の担当者様より登録の御礼としてノベルティを戴きました。また、カクヨム や note においても 同様に宣伝しました。一方、eventmesh は登録できませんでした。


3.当日

三重県四日市市から京都府京都市東山区まで、自家用車で1時間の距離 です。荷物を車に載せて、のんびりと運転を楽しみました。

土山サービスエリア で朝食を済ませたのち、自宅を発って半時間ながら土産を買って、京都方面へ。

渋滞に巻き込まれることもなく、蹴上にある 日野草城の「新婚旅行先」 に着きました。荷物をドアマンへ預けて、外国人のベルガールに運んでもらい、国際色を感じながらルームイン。スーペリアツインルーム を予約していたものの、ご厚意で デラックスツインルーム へアップグレードいただきました。米国3S( Serta / Simmons / Sealy )の一角である シモンズ が誇る ヘブンリーベッド&ヘブンリーバス を堪能。拙宅では シーリー を採用していますが、違和感を覚えるまもなく、ぐっすりと熟睡できました。

頒布品を持って、のんびりと歩いて会場へ。会場は、京都市勧業館 通称みやこめっせ 。源氏物語 第十二帖 「須磨」 を容づくる石像が目印です。

10時過ぎに着いたので、既に設営を始めている方々も少なくありませんでした。右隣は、特に短歌にかかる出版で著名な 書肆侃侃房 様。左隣は、川柳界を代表する 川柳カード 様。短歌と川柳それぞれのリーディングブースに挟まれるのは、句歴一年で初出店&初頒布の日曜俳人です。短詩型文学を論ずるとき、それぞれが短歌と川柳を代表されるとしても、あいにく私は俳句を「代表」できません。それでも私は、設営を始めます。

10分も要さずに設営を終えました。「手にとってご覧ください」の案内は、妻から 回転寿司みたい と云われて不評だったものの、『うまいほんを、腹一杯。』 と ひとりでも多くの人の手にとってもらいたい想いから強行しました。

お越しいただく方々の眼に留まるように、A3サイズの広告を置いています。この広告には、『融点』のすべての句を載せました。出し惜しみせず、高望みせず。まずは 【たくさんの方々にお越しいただいて 手にとってもらうこと】 を目指しました。目標頒布数は、3冊。初出店&初頒布ながら、敢えて高い目標に挑みます。

10時、開場。ブースの幅は限られるため、ふたつの椅子を縦に並べて 前衛・後衛 の布陣で臨みました。バレンヌ帝国の陣形 で云えば、妻が ベア、私が ジェラール です。妻が席を外すため、しばらく私が前衛を務めていましたが、流し斬りがはいらない ほどに芳しくありません。両側の大手サークルは 開場と同時に来場者が押し寄せて、次から次へ休みなく続いています。

妻が戻ったのちに留守番を任せて会場を巡っていたところ、帰ってみたら 1冊 頒布されていました。その後も交代で席を外しましたが、私が居ないときにかぎって頒布されていました。どうやら、【妻の挨拶や応対】 が奏功していたようです。

ちなみに、初めてお買い求めいただいた方は、中身を読まれることなく「東京の知人に頼まれて買いに来ました」と仰る女性だったようです。あいにく不躾ながら その『東京の知人』様を存じ上げませんが、何卒よしなにお伝えください。ありがとうございました。

「この句の季語はなんですか」と妻へ尋ねられた男性、「表紙がカワイイ」と仰ってお買い求めいただいた女性、「化石のような美しさを湛えている句」と仰っていただいた男性、「俳句にしか出来ない表現とはなにか」と妻へ尋ねられた男性、「手触りが感じられる句」と仰っていただいた男性。いずれも、私が席を外しているときにお越しいただいた方々です。応対に至りませんでしたが、玉体を運んでいただき、手にとっていただき、声をかけていただき、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。同人誌即売会の醍醐味である 【買い手の声を直に聴ける喜び】 を強く実感できました。

目標を大きく上回る 8冊 の頒布に至り、とてつもない歓びと驚きに打たれました。お買い求めには及ばなかったものの、じっくりと手にとってお読みいただいた方々も大勢いらっしゃいました。みなさまのご芳名は存じ上げませんが、おひとりおひとりに 【読んでもらえる有り難さと嬉しさ】 を噛み締めながら、お立ち寄りいただいた ひとつひとつのご厚情に感謝します。

文学フリマ名物の カレー と コーヒー を食せなかったのは、残念でした。前夜に妻と 夕食 を摂りながら「明日は咖喱と珈琲」と話していたこともあって、落胆は小さくありませんでした。この期待は、次回の文学フリマ のお楽しみにとっておきます。昼食は、蔦屋書店 横のコンビニで調達しました。同じように昼食に苦労した出店者が多かったらしく、棚に残る食糧は僅かでした。

縁が結ばれて 今回の文学フリマで手にいれたものは、以下のとおりです。

・う09 川柳サイド / spiral wave
・う07 書肆侃々房 / 31文字の可能性
・う50 盲目羊とサクラジマ / きみは暴君
・か06 木下昌輝&長谷川ヨシテル / 日本史の実行犯
・き45 FT書房 / サルダザールの城塞、盗賊剣士
・あ27 大阪大学SF研究会 / 本当はこのループ作品がすごい、戦争SF
・い32 京都大学推理小説研究会 / 蒼鴉城
・か43 たろうのはなこ / 書詠フミの消失
・え22 時巻クラブ / 現実的非実在創作怪異物語
・い59 京都造形芸術大学文芸表現学科 / SAKE NO ZINE

いくつかの本は、ホテルへ戻ってすぐに読みほぐしました。じっくりと、じんわりと、味わいながら楽しませていただきます。


4.翌日

ホテルに車を停めたまま、ゆっくりと周辺の散策を楽しみました。

□ ねじりまんぽ

□ 金地院東照宮

□ 南禅寺 中門

□ 天下竜門

□ 南禅寺 法堂

□ 南禅禅堂

□ 唐破風大玄関

□ 南禅院

□ 水路閣

□ 無鄰菴

風花のもと、妻とふたりで「無鄰菴会議」に興じました。母屋を貸し切って、庭を眺めながら抹茶を服んでみると、東山の静寂が快く沁みました。


 

4件のコメント

  1. フリマご成功、おめでとうございます。
    自分の句集を手に取ってくださる方と、直接交流を持てる・・・正にフリマの醍醐味でしょうね。出店の準備、設営、そして領布と、本当に大変だったと思います。お疲れさまでした。
    5月7日の東京には、是非ともお邪魔したいと思っています。

    1. 葉音さま

      温かいお言葉、ありがとうございます。

      振り返ってみれば、準備の過程も楽しむことができました。できるならば、05月までに100句程度を書き下ろして新刊を発したいと考えています。京都では350前後の出店でしたが、東京では倍数の700を超える出店が見込まれます。多くの文学愛好者が集う場ですので、きっとお楽しみいただけるものと思います。東京でお逢いできることを楽しみにしています。

  2. 衒叟さん、こんばんは!
    初出店お疲れ様でした!!!
    充実した、濃厚な1日だったようですね、
    なんだか自分も帯同しているようで、ワクワクしながら読みすすめました♪
    私もフリマ出店が叶えば、今回の記事を参考にバッチリ!といきたいです。
    自分の本が売れるなんて、どれほど感動的でしょう、
    「化石のような美しさ」とのお客様からのお言葉も、
    衒叟さんの句の魅力を言い得て妙ですし、思わず「ぐっ!」と来ましたよ!
    翌日の散策も素晴らしいひと時になったご様子。
    お写真がそれぞれとても美しくて味わいがあって・・・
    何で撮影されたのでしょう、何か普通とちょっと違う、不思議な魅力があります。

    そして私は、お譲り頂いたワケアリ版を大事に読み進めている途中・・・
    当面の投句や選句が落ち着いたら、ゆっくり感想記事に取り掛かりたいと思っています。
    豊かな時間のお裾分けを、有難うございます!!

    1. めぐるさん

      文字化けは解消されているでしょうか? もし不都合あれば、ご遠慮なくお申し付けください。

      散文の記事を書くのは苦手なのですが、楽しくご覧いただけたようで安堵しています。09月の大阪でご出店されること、お待ちしております。

      写真は、iPhone で撮ったものに instagram ですこしだけフィルターを当てて(加工して)います。妻がカメラを趣味としているので、吟行の折に 撮影や構図を教えてもらっています。私自身は写真の善し悪しはよく判らないのですが、その効果が僅かながらも現われているのかもしれませんね。あるいは、古都の幽玄が滲み出ているのかも…

      「見返り」として句評を強いるのは憚られますので、どうぞ お手すさびほどにお心留めいただければ嬉しく思います。ご投句・選句でお忙しいものと拝察します。益々の飛躍を祈りつつ、ご自愛専一にご活躍ください。

コメントはできません。