俳誌「鷹」591号 | 月光集

俳句雑誌「鷹」2013年11月591号

——— 月光集より抄出

一天の廓寥とある案山子かな 今野福子「夜更しの」

甚平を着て陳腐なる海の景 髙柳克弘「ミント」

かりがねや紺屋正しく指よごす 岩永佐保「ジャズ」

はつこひに浴衣の花が濃くなりぬ 竹岡一郎「終戦日」

秋蝶や流砂に汀あたらしき 大石香代子「鳥辺野」

大工ヨセフ葡萄訥々喰ひにけり 志賀佳世子「ヨセフ」

雲あまた立たしめて山滴れり 南十二国「水平線」

≫ 水平線つよくかがやく芒かな

太陽に寿命ありけりトマト食ふ 兼城雄「妹」

≫ 炎天の一隻に海ふくれけり

弘法の水のふしぎや瑠璃鶲 蓬田節子「挙手」

譫言に昇天の微笑〔ゑみ〕稲の花 戸塚時不知「稲の花」

風呂敷を解きて三線天の川 長岡美帆「ホルモン屋」

天の川雷鳥沢に幕営す 吉長道代「ライ麦パン」


衒叟 / 4sun.jp