俳誌「鷹」592号 | 月光集

俳句雑誌「鷹」2013年12月592号

——— 月光集より抄出

新藁の束月光に積まれけり 小浜杜子男「影」

野分して墓にをさまる骨ばかり 髙柳克弘「墓」

肉喰ひし唇ひかる野分かな

うなさかのいろ濃やかや鳥渡る 今野福子「暫し」

かりそめに貝殻ひろふ小春かな

檻ふかく黒豹ねむる時雨かな 福永青水「黒豹」

月光や乳房尖れる人魚像

秋航や明日は朝日となる夕日 奥野昌子「夕日」

救命具試し着をせり秋暑し

見ゆる手を見ゆるまま描く夜長かな 岩永佐保「つまづくな」

万屋〔マチヤー〕の薬缶に埃ちちろ鳴く 岸孝信「舟券」

枝透きて遠山育つ鬼目かな

貝殻のひらきて白し秋彼岸 兼城雄「画用紙」

蚯蚓鳴く堂のくらきに朱唇仏 津高房子「残照」

天上に時進むらし稲の花 有澤榠樝「気持」

寒蝉や時国邸の高框 蓬田節子「蔓先」

焼鳥に七味ふり足す雨月かな 志賀佳世子「七味」

秋雨やプルタブ引きて鮪缶 本橋洋子「山羊の仔」


衒叟 / 4sun.jp