毎日俳壇 | 2014年05月12日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年05月12日より抄出

月に一度子に出す手紙水温む 坪内勉

つひに見えぬ雲雀となりて吾を残す 神谷文子

風鐸の鈍き響きや雲雀東風 村越陽一

囀や木枠に並ぶ試験管 八木峰子

しやぼん玉新婦の頬にはじけたり 小林水明


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年05月12日

月に一度子に出す手紙水温む 大分市 坪内勉
【軽舟先生評】遠く住む子に手紙を書くことで季節の移ろいを感じる。故郷の山河にまた春がやって来た。
つひに見えぬ雲雀となりて吾を残す 東京 神谷文子
【軽舟先生評】広野に一人取り残された作者の孤愁。雲雀は作者の人生を去ったものの暗喩でもあろう。
風鐸の鈍き響きや雲雀東風 つくば市 村越陽一
囀や木枠に並ぶ試験管 小平市 八木峰子
のどけしや音おつとりとプロペラ機 坂戸市 浅野安司
日当たりが取り得の狭庭クロッカス 藤沢市 田中修
しやぼん玉新婦の頬にはじけたり 仙台市 小林水明
隣室もシーツ干したり風光る 横浜市 村上玲子
取的がスマホいじくる麗かな 東京 野上卓
畑打や夕刊の来ぬ峡暮し 周南市 木村しづを
琵琶法師徳利転がし春の昼 大牟田市 山口正男
花の雨散歩の犬と擦れ違ふ 我孫子市 加藤裕子

衒叟 / 4sun.jp