毎日俳壇 | 2014年07月21日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年07月21日より抄出

父の日や『氷島』初版など遺し 吉竹純

古書店の主の顔も夜の秋 佐々木元嗣

先づ箸の影があたりぬ冷奴 杉山一三

教会の薄き座ぶとん梅雨じめり 大石大

派出所の女性警官水打てり 金沢高栄


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年07月21日

父の日や『氷島』初版など遺し 東京 吉竹純
【軽舟先生評】萩原朔太郎の『氷島』であるところがよい。父の望郷の念に思いを巡らすようでもある。
古書店の主の顔も夜の秋 奈良市 佐々木元嗣
【軽舟先生評】狭い古書店のいちばん奥で本など読む主人。いつも通りの情景だが季節は少しずつ移ろう。
先づ箸の影があたりぬ冷奴 稲沢市 杉山一三
桜の実踏み通勤の人の列 前橋市 河村葉子
沢蟹や勝手知つたる岩のくぼ 大垣市 大井公夫
ががんぼやローカル線の夜の駅 京都市 小川舟治
遠泳のしんがりを待つ立泳ぎ 茅ケ崎市 清水呑舟
存分に鳴いて眠りぬ梅雨の犬 香芝市 福井信之
教会の薄き座ぶとん梅雨じめり さいたま市 大石大
孑孑〔ぼうふら〕や一つ覚えの立ち泳ぎ 香取市 嶋田武夫
派出所の女性警官水打てり 日高市 金沢高栄
庶民には庶民の匂ひ夏の草 近江八幡市 橋本重夫

衒叟 / 4sun.jp