毎日俳壇 | 2014年08月10日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年08月10日より抄出

出口なき少年逃ぐる走馬灯 益子さとし

上りつつ磨く手摺や百日紅 太田明美

蟻地獄日輪白く濁りけり 田谷敬子

天井の高き広間に昼寝かな 小菅やすし

杉木立せまりて昏き鮎の宿 村上勤


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年08月10日

出口なき少年逃ぐる走馬灯 川越市 益子さとし
【軽舟先生評】走馬灯の少年の絵が廻る。それを見ていると自分の少年時代の心情がふいにかぶさってくる。
上りつつ磨く手摺や百日紅 松本市 太田明美
【軽舟先生評】家の階段の手摺を雑巾で磨きながら上る。汗を拭い二階の窓から眺める百日紅のすこやかさ。
蟻地獄日輪白く濁りけり 八王子市 田谷敬子
三更の月に出て鳴く青葉木菟 和歌山市 かじもと浩章
梅雨寒や花袋全集傍らに 館林市 寺内和光
看護婦の来る楽しみも秋の昼 奈良市 佐々木元嗣
冷奴父の愚直に輪をかけて 周南市 木村しづを
恋愛の苦手な同士アイスティー 東京 遠藤米子
天井の高き広間に昼寝かな 羽生市 小菅やすし
炎昼や薬缶煤けし飯場跡 いわき市 鈴木潔
もち古りし母の手紙や木葉木菟 日高市 田辺和子
杉木立せまりて昏き鮎の宿 東京 村上勤

衒叟 / 4sun.jp