毎日俳壇 | 2014年08月25日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年08月25日より抄出

短夜や猫飼ひたしと妻の言ふ 杉野子太郎

時鳥遠き谺となりにけり 小川吉祥子

捨て切れぬ夢白玉の茹で上る 渡辺小枝子

夏座敷山河の青き風通す 枝沢聖文

豆腐屋の喇叭ちかづく土用かな 永島忠


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年08月25日

短夜や猫飼ひたしと妻の言ふ 藤沢市 杉野子太郎
【軽舟先生評】夏の夜更け、夫も目が覚めているのに気付いて妻がふと言う。二人きりになった夫婦の小景。
時鳥遠き谺となりにけり 洲本市 小川吉祥子
【軽舟先生評】空を鳴き渡った時鳥の声がまだ遠い谺のようにかすかに聞こえる。時鳥の本情に適う一句。
捨て切れぬ夢白玉の茹で上る 別府市 渡辺小枝子
夏座敷山河の青き風通す 町田市 枝沢聖文
酒好きの不意の客あり冷奴 平塚市 森本富美子
緑陰や大き鳥籠吊るしある 東京 松嶋光秋
下駄箱の奥の暗闇原爆忌 上尾市 鈴木良二
豆腐屋の喇叭ちかづく土用かな 東京 永島忠
人気〔ひとけ〕なき簡裁の庭立葵 東京 永井和子
蝉の声しばし聞き入りペンを擱く 茨木市 赤畑博
無人駅トランクひとつ夏燕 東大阪市 三村まさる
夕虹をくぐり大漁船帰る 唐津市 吉田智美

衒叟 / 4sun.jp