毎日俳壇 | 2014年11月09日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年11月09日より抄出

ポストまで行かむ文書く月今宵 谷藤弘子

偕老の色違ひなる冬帽子 相坂康

甲板にコック出てゐる良夜かな 末岡たかし

山近き門前町や新豆腐 喜納とし子

無住寺の雨戸朽ちたり金木犀 渡邉春生


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年11月09日

ポストまで行かむ文書く月今宵 宇部市 谷藤弘子
【軽舟先生評】中秋の名月。月明かりの夜道を歩きたくなった。そうだ、あの人に手紙を書いて出しに行こう。
偕老の色違ひなる冬帽子 武蔵野市 相坂康
【軽舟先生評】偕老とは夫婦が仲良く年をとること。色違いの冬帽子は妻の手編みの毛糸帽かもしれない。
甲板にコック出てゐる良夜かな 吹田市 末岡たかし
山近き門前町や新豆腐 東京 喜納とし子
問ひ返す残る人生憂国忌 奈良市 上田秋霜
秋深し貼り紙古りし空店舗 京都市 丹治芳章
無住寺の雨戸朽ちたり金木犀 富士宮市 渡邉春生
灯下親し床屋のサインポールさへ 仙台市 小林水明
廃校にのこる大木鳥渡る  由利本荘市 松山蕗州
垣根にはおけらが鳴きてもらひ風呂 松阪市 山中ひろし
白萩や腰まで垂れて巫女の髪 福岡 松浦麻子
阪神が負けて早寝やそぞろ寒 大田市 森井晃一

衒叟 / 4sun.jp