毎日俳壇 | 2014年11月24日

毎日俳壇 小川軽舟先生・選

——— 2014年11月24日より抄出

老二人背戸に狸の餌を置く 杉野子太郎

手相見の己が手さする夜寒かな 大井公夫

墓山を駅に見上ぐる小春かな 木内百合子

静かなる皆既月食ちちろ鳴く 近藤実

息吐いて終る体操草の花 清水正浩


——— 毎日俳壇 小川軽舟先生・選 2014年11月24日

老二人背戸に狸の餌を置く 藤沢市 杉野子太郎
【軽舟先生評】郊外の一戸建で静かに老後を過ごす夫婦か。ささやかな話題の一つに近所に現れる狸のことも。
手相見の己が手さする夜寒かな 大垣市 大井公夫
【軽舟先生評】夜道で客を待つと手足が冷えてくることだろう。ウィットも利いた俗世のスケッチ。
病室の妻が手を振る十三夜 茅ケ崎市 清水呑舟
冬菊や妻なき部屋の桐箪笥 吹田市 坂口銀海
墓山を駅に見上ぐる小春かな 東京 木内百合子
惑星の自転公転冬隣 名古屋市 鈴木幸絵
稲子麿飛んで男の付け睫毛 水戸市 安方墨子
静かなる皆既月食ちちろ鳴く 四国中央市 近藤実
息吐いて終る体操草の花 龍ケ崎市 清水正浩
白芙蓉咲けば明るき雨の庭 神奈川 大久保武
熊楠のやうな親父や茸狩 札幌市 江田三峰
秋深し夢にしばしば父と母 ひたちなか市 道化稚春

衒叟 / 4sun.jp