小川軽舟 | 毎日俳壇賞 2015年

2016年02月08日 毎日新聞 朝刊

毎日俳壇賞 | 小川軽舟推薦


母と子に木犀匂ふ家裁かな 福岡市 三浦啓作

子の親権を争う離婚訴訟を想像した。作者は弁護士でしばしば裁判所の情景に取材している。めずらしい材料を詠んだだけでは詩情は生まれない。大事なのは季語。母と子に木犀を匂わせた作者の優しさに心打たれた。

三浦啓作さん (75)
まず選者に感謝申し上げる。家裁の門に木犀の大樹がある。事務所の往還、その門の前を通る。ある日、この門に入る母子連れの姿を見かけた。今後も日々の生活の中に小さな詩を見つける努力を続けたい。