早涼や雨光らるる銀沙灘

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413 / 早涼や雨光らるる銀沙灘


角川「俳句」 平成俳壇 2016年11月号 投句

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5件のコメント

  1. 衒叟さん、こんばんは!
    すうっと心地良い冷気と輝きを感じる、綺麗な句と思いましたが、
    「光らるる」
    という表現を見たことがなく、分からないので、解説して頂いても良いですか?
    「光らせる→光らする」とはまた別な意味なのでしょうか(≧_≦)
    訊くは一時の恥、訊かぬは一生の恥と思い、思い切って質問致します(汗
    不勉強で申し訳ありません~~~!

    1. めぐるさん

      「るる」あるいは「らるる」は、古語の下二段型の活用につき、口語に馴染まず 読み解きにくいかもしれませんね。いずれも大意は違えませんが、主格の行為の旨は異なるでしょうか。

      ラ行四段活用の未然形「ら」に接続するとき、助詞「す」の連体形なら「らする」、助詞「る」の連体形なら「らるる」に活用します。尊敬の意を除けば、助詞「す」は使役、助詞「る」は自発・受身・可能などを現わします。

      使役の「らする」は、~させる の意につき、主格たる動作主の行為は積極意志をもちます。一方、「らるる」を自発の意に捉えるときは、動作主の意志は弱くなり、主観的な感覚を示します。口語に置き換えると、思う⇒思われる、悔やむ⇒悔やまれる、偲ぶ⇒偲ばれる、感じる⇒感じられる、などの用法に相当します。自己の存在や主張を避けるときに このような云い回しを用いますよね。多くの場合は動作主が省かれますが、明らかにするときは主格を「に」、対象を「が」で現わします。故人が偲ばれる、判断が悔やまれる、違和が感じられる、等です。

      能動的に「銀沙灘が雨を光らせる」と捉えるか、受動自発的に「(銀沙灘に)雨が光っている」と捉えるか。僅かな旨の違いではありますが、句の読み手の視点は 少しだけ異なるかもしれません。

      めぐるさんの期待と解釈に反するお返事かもしれませんので、あくまでも参考程度にお留めいただき、精確な文法の是非は専門書に委ねたく。上記の企図を掲句で充分に表現できているか、不安を覚えます。そもそも、抒情的で甘い用言「光る」を安易に置いたところは、大いに自省を要しますね…

  2. 衒叟さん、早速丁寧な解説を有難うございます!
    「光る」は形容詞だと思うので、
    動詞と同じように繋げられるかがちょっと私には分かりませんでした(汗
    衒叟さんの句意として「光っている」のであれば、
    文語表現で「光りたる」の方が読み手に伝わりやすいかも・・・なんて・・・
    わ、私が分かってないだけなのにスミマセン~~~!ぎゃあああ(≧□≦)
    私にとって、古語は神秘のヴェールに包まれているので、
    これからも分からない時は素直に訊いてみたいと思います、よろしくお願い致します!

  3. ぎゃーゴメンナサイ!
    「光る」も動詞ですね(汗
    「光る海」といった時の、海の様子を表す形容詞・・・というイメージを持っていましたが、
    調べてみたら動詞だったです。
    こんな不勉強すぎる私を許して下さい~~~!!!ぎゃふ~~~ん(≧□≦)

    1. めぐるさん

      米国大統領選挙に眼を凝らしていて、お返事が遅くなりました。brexit に続く、エスタブリッシュメントの崩壊とモンロー主義へ転ずる瞬間ですね。

      形容詞の終止形は、口語であれば「~い」、文語であれば「~し」が大半でしょうか。さらに文語においては、連用形を「~しい」とする語は、 シク活用あるいはク活用です。形容動詞であれば、ナリ活用あるいはタリ活用です。

      お示しいただいたお見立ては、広義の「修飾語」のような解釈だったのかもしれませんね。連体詞、あるいは、外国語における分詞や形動詞に近 い構造かもしれません。

      「光りたる」は、存続・完了の助動詞「たり」の連体形ですね。かつては句作の折に多用していたのですが、存続(~している)の意にもかかわ らず完了(~してしまった)に捉えられかねないため、いまは些か苦手とする助動詞です。存続の意を強く伝えるときは、補助動詞「をり」や「 ゐる」を充てることが増えました。読み手に誤解を与えない表現や品詞を探るのはタイヘンですが、学べば学ぶほど「知らないこと」が増えてゆ くのも楽しみです。

      文語に大きなこだわりをお持ちでなければ、口語を以って自由かつ自在に句作する、のも選択肢のひとつかもしれません。いずれも奥深い難しさを抱いていますが、それぞれに極めてゆく醍醐味がありますね。

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