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泥棒を捕らえて縄を綯う、という諺がある。日頃から備えておかないといざというときに困る、の意だが、むしろ「縄を買ったから泥棒を募る」ほうが多い。これは、背後の衰退に気づかず、成長の幻影を追いかける姿勢に重なる。

とりあえず箱を造ってみる。ショッピングモールとかコンベンションホールとか、土地を拓いて計画を立てる。それから、その箱の中に入るものを集める。道路でも鉄道でも、線を先に敷いて、あとから、観光地や行楽地を造る。ようするに、まず供給を当て込んで、需要を捻り出す、という手順だ。

「こんなイベントを催したい、みんなで盛り上がるアイデアを考えて」と頼まれる。ここで「アイデアが先にあるのでは」と言い返すのが、正常な手順だ。それでも、花火を打ち上げたい、だから打ち上げる理由を挙げてほしい、と頼む。もはや、デファクトなのだろう。

アイデアが湧かず、箱に入れるものを探せない。焦って、怒って、「このままでは、せっかくの企画が通らない」なんて苛立つ。もはや、無理を通そうとしたことを認められない。

欲しがるひとがいるから造る、のが手順だ。需要が立つから供給が生まれる。それにもかかわらず、カネやヒトを回さなければならないから、先に供給を走らせる。需要なんて宣伝を打てばなんとかなる、と考える。「需要はつくるもの」と思い上がる。これが、バブルという幻影なのだ。

なぜか「企画したいひと」も、少なくない。じぶんは「アイデアに長ける」と自負している。流行や新語を使い回して、イベントやグループを立ち上げる。あとは、空気や熱意で巻き込めると信じている。解りやすく言えば、なんら詐欺と変わらない。こういうひとに捕まらないよう、「縄」に気をつけてほしい。