小川軽舟 | 『俳句と暮らす』ための五冊

2017年05月30日

『俳句と暮らす』ための五冊 | 梅田蔦屋書店限定企画 小川軽舟氏 選書


『定本 現代俳句』山本健吉(角川選書)

私が俳句を始めるきっかけになった本です。近現代の名句を紹介しながら俳句の本質に切り込みます。初版は六十年以上前ですが今も新鮮。俳句とはここまで深く掘り下げ、そして高く聳えることのできる文学だったのか。

『新版20週俳句入門』藤田湘子(角川学芸ブックス)

今は亡き私の師匠が残した入門書の名著。暮らしのスケッチに季語を添えて一句にする。そんな「取り合わせ」の手法を四つの型を用いて練習し、初心者でもたちまち本格的な俳句が作れてしまうという魔法のテキストです。

『あかぼし俳句帖』有間しのぶ(小学館)

「ビッグコミックオリジナル」連載中の漫画です。出世競争に落伍した中年サラリーマンが俳句に出会って人生を歩き直す物語。俳句が誰かに読まれてこそ楽しい。俳句を通して新しい仲間に出会うよろこびを教えてくれます。

『いま、兜太は』金子兜太(岩波書店)

トラック島での戦争体験、組合活動の挫折で味わったエリートの悲哀。それらをエネルギーに変えて前衛俳句の旗手となり、やがて故郷秩父の風土に根差したアニミズムに目覚める。97歳現役俳人の歩みは現代俳句そのものです。

『日本の歳時記』宇多喜代子・中原道夫・片山由美子・長谷川櫂・西村和子(小学館)

俳句と暮らす毎日には歳時記が必須です。ここは一つ、座右にドンと大歳時記を置いてみませんか。一日数ページずつ読むだけで世界が広がります。大きすぎるという人には季節別四分冊にしたハンディ版『読んでわかる俳句 日本の歳時記』もあります。


小川軽舟(おがわ けいしゅう)
1961年千葉県生まれ。俳人。1986年「鷹」入会、藤田湘子に師事、小澤實編集長に兄事。2005年「鷹」主宰。2002年、第一句集『近所』により俳人協会新人賞、2005年、『魅了する詩型 現代俳句私論』で、俳人協会評論新人賞受賞。毎日新聞俳壇選者。
ふだんは関西単身赴任中のサラリーマン。俳人とかけもちの日々と綴った句集『俳句日記2014 掌をかざす』に続き、昨年末に中公新書『俳句と暮らす』を刊行。