小川軽舟 | 氷踏む

鷹 655号 2019年03月

氷踏む | 主宰の今月の12句


稜々と聳つ波や初景色

あぶらげの湯通しの湯気初明り

マスクしてわが息に街ぬくもりぬ

見えてゐて会社が遠し日向ぼこ

天丼の蓋に沢庵隅田川

歯並びのよき人とゐる寒さかな

すき焼や玉子解く音聞こえだす

冬萌やビニール傘に空広き

アフリカを出でし人類氷踏む

酒粕にあはき米粒吹雪の夜

膝の手が拳になりぬ寒復習

猫丸く豆腐四角く春を待つ