御正忌の灯明に影濃かりけり
∟ 680|通信句会 35
真二つに開くトランクや去年今年
∟ 680|新人会 21.01
握り潰すショッポの箱や冬の月
∟ 680|新人会 21.01
本屋より届くラノベや炬燵猫
∟ 679|新人会 20.12
初雪や旅先に買ふ旅の本
∟ 679|毎日俳壇 20.11.23|毎日俳壇賞
太陽は日々に新し古暦
∟ 毎日俳壇 21.02.01
綿虫や少しかたぶく平和荘
∟ 678|新人会 20.11
警官に守らるゝデモ息白し
∟ 678|新人会 20.11
ひゝらぎの咲けり一〇一号室
∟ 678|新人会 20.11
フリップを掲ぐる知事の赤い羽根
∟ 677|新人会 20.10
弄ぶいぬほゝづきの実なりけり
∟ 677|新人会 20.10
宵闇のベナレスに河けぶるなり
∟ 677|新人会 20.10
封蝋に捺せる指輪や一葉落つ
∟ 677|鷹中央例会 20.10.03
銀杏散るベランダに画架たゝみたり
∟ 676|新人会 20.09
的球のごとりと落つる秋思かな
∟ 676|新人会 20.09
入国のスタンプ粗し夜霧の灯
∟ 676|新人会 20.09
澄みきりて海坂あをし雁渡る
∟ 通信句会 34
仏壇の梨に手をだす夕餉かな
∟ 675
夜はなべて光眩しよ夏の果
∟ 675|新人会 20.08
ばた/\とレジメをあふぐ夜学かな
∟ 674
ヨギーニのまつすぐな背の汗ばめり
∟ 674|新人会 20.07
銀箸に補身湯喰ふ溽暑かな
∟ 674|新人会 20.07
昼顔やポリエステルの服濯ぐ
∟ 673|通信句会 31
朝涼やスマホに払ふラテマネー
∟ 673|新人会 20.06
パチンコに打ち子の並ぶ暑さかな
∟ 673|新人会 20.06
カーテンを閉ぢて映画や天使魚
∟ 672
上申も下知もチャットや風信子
∟ 672|新人会 20.05
写真みな利口に見ゆる四月かな
∟ 672|新人会 20.05
あつけなく告ぐる解雇や鳥曇
∟ 671
営業の靴尖りけり櫟の芽
∟ 671|新人会 20.04
軍服に略綬ずらりと夏隣
∟ 670
法王は足にキスして春落葉
∟ 670
榾の火やコンテナハウス夜を迎ふ
∟ 670|通信句会 29
ラーメンの油てらりと養花天
∟ 通信句会 30
邪神忌のアブサン白く濁りたり
∟ 669
花過の教誨室の灯かな
∟ 669
啓蟄や全一巻に国滅ぶ
∟ 669
アザーンの聞こゆる宿や寒昴
∟ 669|新人会 20.02
トロ箱に氷ましろし鳥の恋
∟ 毎日俳壇 20.04.27
年尽きてカジノは街を眠らせず
∟ 668|通信句会 28
マフラーのまゝに勝訴を掲げたり
∟ 668|新人会 20.01
旧正や白乾児にほふ町中華
∟ 毎日俳壇 20.03.02
冬晴やシャンパン冷ゆる納車式
∟ 667
地下鉄にリュック抱ふる寒暮かな
∟ 667|新人会 19.12
キャバ嬢のタバコ細しよ寒き朝
∟ 667|新人会 19.12
熱学の教科書厚し地虫鳴く
∟ 666|通信句会 27
みづうみに稲穂の風よ街の灯よ
∟ 666|新人会 19.11
人類の錆びそめてゐる銀河かな
∟ 665|新人会 19.10
出張の雲の迅しよ九月尽
∟ 665|新人会 19.10
エチュードに音符びつしり星月夜
∟ 665|新人会 19.10
やはらかく鞄を拭ふ居待かな
∟ 664|新人会 19.09
寿司桶にバラン貼りつく盆供かな
∟ 664|中央例会 19.09.07
スコッチの氷まどかに宵の夏
∟ 664|通信句会 26
石鎧ふ最高裁の西日かな
∟ 664|通信句会 26
くつわ虫嫌はれ役を買ひにけり
∟ 663
枕辺に探す電話や秋の風
∟ 663
リコールの広告小さし朝曇
∟ 663|新人会 19.08
八月の空なんどでも晴れるなり
∟ 662|毎日俳壇 19.07.29
道頓忌ぎら/\と陽のしづみけり
∟ 662|毎日俳壇 19.07.23
教会の長椅子硬し百合の花
∟ 662|通信句会 25
予告また予告の映画四月尽
∟ 662|通信句会 25
星座忌のカーテンの房垂れゐたり
∟ 661
リビングにアイロンにほふ昼寝かな
∟ 661|新人会 19.06
かぎろへる街の高さを朝しづか
∟ 660|新人会 19.05
ホステスの名刺に蝶や宵の春
∟ 660|新人会 19.04
居並びて法服黒し花の冷
∟ 660|通信句会 24
花冷の昨日のまゝの机上かな
∟ 659
妻とゐるカウチ広しよ花ぐもり
∟ 659|新人会 19.04
厨房に吊らるゝ鍋や木の芽雨
∟ 659|新人会 19.04
残業に白シャツの袖まくりけり
∟ 毎日俳壇 19.06.24
雪池忌の天丼の並たのみけり
∟ 658|新人会 19.03
饅頭に焼印ありぬ建国日
∟ 658|新人会 19.03
満天の星しづもれる山火かな
∟ 658|中央例会 19.03.02
居酒屋に空瓶ならぶ遅日かな
∟ 毎日俳壇 19.05.20
栞せる本の寂しよ若葉風
∟ 新人会 19.05
裸木や徒歩七分の父の家
∟ 657|新人会 19.02
釈台を打つ張扇や村時雨
∟ 657|通信句会 22
旅先に余る硬貨やミモザ咲く
∟ 657|新人会 19.01
耳朶の紅き少女や弓始
∟ 656|中央例会 19.01.19
映写機のひかりに塵や年移る
∟ 656|新人会 19.01
帆を揚ぐる北前船や寒昴
∟ 656|新人会 19.01
あけぼのに池しづかなる寒鴉かな
∟ 通信句会 23
春風やちひさき象のすべり台
∟ 毎日俳壇 19.03.18
枯欅珈琲を手に出勤す
∟ 655|新人会 18.12
川底にゆるゝ陽ざしよ枯木道
∟ 655|主宰吟行 18.11.23
つまみては齧るあられや十三夜
∟ 654|通信句会 21
畳みたるフリース高し十二月
∟ 654|新人会 18.11
かほ洗ふみづの固さやそゞろ寒
∟ 654|中央例会 18.11.10
軍艦の褪せし舵輪や冬送る
∟ 新人会主宰吟行 19.01.20
答礼をかへす兵士や冬の波
∟ 新人会主宰吟行 19.01.20
路地裏の文化住宅小鳥来る
∟ 653
旅宿の小さき机や朝寒し
∟ 653
秋扇平家の海を眺めをり
∟ 653|新人会 18.09
秋涼し注射へ腕を伸ばしけり
∟ 652|新人会 18.09
鍵落とす郵便受やちゝろ鳴く
∟ 652|新人会 18.09
朝焼や双手に受くる応量器
∟ 652|通信句会 20
居酒屋に懸くる上着や新豆腐
∟ 新人会 18.11
手相見の丸椅子硬し蚯蚓鳴く
∟ 651
遠山を隠す地雨や扇置く
∟ 651
うらゝかや牛の踏みゆく水たまり
∟ 新人賞 47
弔電のひろき余白や秋灯
∟ 毎日俳壇 18.10.22
短夜や嚙みしめてゐる涙巻
∟ 650
神の杜背負ふ鳥居や青田波
∟ 650
手妻師の影絵の跳ぬる我鬼忌かな
∟ 650
耳飾はづす左手えごの花
∟ 649
襖絵に翔けゐる竜や梅雨の月
∟ 649
かたはらの妻の寝息よ夜の秋
∟ 毎日俳壇 18.08.20
道化師の黒き泪や晩夏光
∟ 新人会 18.08
指揮棒をかざす額や灯涼し
∟ 648
洋食に味噌汁のつく薄暑かな
∟ 648
ナプキンにくるむフォークや灯涼し
∟ 通信句会 19
峰雲や箱の積まるゝ模型店
∟ 新人会 18.07
ハンガーに睡る背広や菜種梅雨
∟ 647
ぼんぼりにだらりの帯ぞ鐘霞む
∟ 647
若葉風ブレイシーズをはづしけり
∟ 新人会 18.06
信号の顎に地名や姫女苑
∟ 新人会 18.06
惜しみなく空まさをなり田水張る
∟ 毎日俳壇 18.06.12
鳥雲に有平棒の息づきぬ
∟ 646
忘れ雪街は曙光を敷きにけり
∟ 646
掌にボンボニエール弥生尽
∟ 新人会 18.05
しほさゐの遠ざかりゆく雲雀かな
∟ 645
どんぶりに箸休ませて初雀
∟ 644
ひとすぢの澪しづみゆく朧かな
∟ いつか句集を作るために 18.03.11
聖堂は巨き楽器や旱星
∟ 毎日俳壇 17.08.21
夏来る橋に町の名遺りけり
∟ 毎日俳壇 17.07.03
息白しハンバーガーの蝋引紙
∟ 毎日俳壇 17.01.23
ふともゝに絆創膏や冬浅し
∟ 毎日俳壇 16.12.26
てのひらに享くるしづけさ緑さす
∟ 毎日俳壇 16.07.04